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ポストデジタル

更新日:7月22日

はじめに

 

ポストデジタルが量子(クアンタム)であることは、オードリー・タンはじめ多くの方々が述べているので異論はないであろう(その実用化の時期において見解の相違があっても)。

シリコンバレーにも拠点を持つ未公開企業の資金調達に関する情報を収集しているPitchBook Dataによると2020年に684Mドルであった投資額が2021年9月の時点で1019Mドルとほぼ倍増している*1。このなかでもシリコンバレーのPsiQuantumが450Mドルとずば抜けている。

一方、政府は令和4年度の予算案を2021年12月24日に閣議決定した。一般会計総額107兆5964億円のうち「科学技術⽴国」の観点から、科学技術振興費13,788億円を確保し、デジタル、グリーン、量⼦、AI、宇宙、次世代半導体等の研究開発を推進するとしている*2。文部科学省概算要求では、量子技術戦略等の国家戦略を踏まえた重点分野に191億の予算要求をしている*3。以上のことからも、量子技術が今後の重要な技術テーマであることがわかる。


量子技術の利用分野

 

では、量子技術のどのような分野に注目すればよいのであろうか。

量子技術イノベーション拠点(政府の量子技術イノベーション戦略に基づき発足した拠点)においては、以下のように研究分野を分類している。

  • 量子コンピュータ開発

  • 量子デバイス開発

  • 量子コンピュータ利活用

  • 量子ソフトウェア研究

  • 量子セキュリティ

  • 量子生命

  • 量子マテリアル

  • 量子センサ

事業会社においては、量子コンピュータ利活用、とくに、量子暗号 、量子化学計算、量子機械学習、量子最適化、量子モンテカルロなどの分野に注目すべきである。このなかでも、「実用的な価値があり、既存の量子デバイスで実行でき、古典コンピュータで効率的な実行不可能な分野」に絞ると、量子機械学習、量子化学計算であろう。


例えば、量子化学計算の適用分野のひとつである創薬をとりあげる。SDKI Inc.は創薬市場におけるAIの利用は、2022年に513百万米ドルの市場価値から、2030年までに5,627百万米ドルに達すると推定し、2022-2030年の予測期間中に年平均成長率40.8%と予想している*4


このAIの利用の背景には、2011年オバマ政権のMaterials Genome Initiativeによって構築された材料データベースがあり、これに対して、量子コンピューティングを利用することで1万種類ほどの既知の材料を使ってまだ存在しない新たな材料の特性を予測できるようになるからである。


まとめ

 

投資の流れからポストデジタルは量子であることを述べ、量子技術における注目分野は量子機械学習と量子化学計算とした。


DX(デジタル・トランスフォーメーション)を、EX(エンタープライズ・トランスフォーメーション)、つまり、企業を作り変えることと再定義すると、つぎにIX(インダストリアルトランスフォーメーション:産業変革)、さらにSX(サスティナブルトランスフォーメーション、ソーシャル・トランスフォーメーション:社会の変容)、LX(ライフトランスフォーメーション:個人の生き方変容)という不可逆的な流れがある。


これらに対応して、技術的な流れは、DX2.0つまりCPS(サイバーフィジカルシステムズ)の先にQX(クアンタム・トランスフォーメーション)がくる。CPSは、リアルにある「物」とデジタルな「事(サービス)」をネットワーク化する技術で、デジタルツインとも呼ばれる。このCPSにPLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)システムを連動させるデジタルスレッドが主流になる。このデジタルスレッドを実現するために、時系列パターン認識を高速で機械学習させるリザバーコンピューティングの実行環境として量子コンピュータを期待している。


注釈

 

※以下外部サイトとなります。


*1:https://pitchbook.com/news/articles/quantum-computing-venture-capital-funding

*2:https://www.mof.go.jp/policy/budget/budger_workflow/budget/fy2022/seifuan2022/01.pdf

*3:https://www.mext.go.jp/content/20211011-mxt_chousei02-000018311_9.pdf

*4:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001156.000072515.html




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